Iron Bound 48H in マレーシア 応援ありがとうございました。

Iron Bound 48H in マレーシア 応援ありがとうございました。

 

ニセコエクスペディション2024で優勝して、Adventure1シリーズAsia World CupのIRON BOUND 48H in Malaysiaに招待され、参戦してきました。
全力を尽くして楽しんできました。うまくいったところもいかないところもあったけど、自分たちらしい闘いができました。
応援・サポートしてくれた方々に向けて参戦報告の資料を公開しますので是非ご覧ください。海外レースに興味のある方に参考になると思います。
以下はFacebookの参戦記です。(写真はFacebookでご覧ください。)
Malaysia Iron Bound (11/23-25/2024)
23日0:50スタート
最初のセクションはMTB123km。約80キロのロード区間の後、山を越える約40キロのトレイル区間に分かれる。
スタートゲートの先頭を陣取って、合図とともに勢いよくスタート。先頭集団で進んでいると赤信号で停止。すぐに後ろから地元チーム?のGOGO GOGOの声でみんなで GOGO。集団が大きくなり、みんなすごいスピードで進んでいく緊張感。1番重いギアにしても空回るくらいのスピードだった。メンバーが離れないよう声を掛け合って、細かなアップダウンのロードを進んで集団でCP1へ。
少しずつ集団がバラけ、おそらく第二集団の後方をキープ。線路脇の細い橋を渡るところでさらにバラける。CP2を取り、長いロードを進む。
前のチームの光がチラチラ見えるので、どうにか追いつきたいとダズさんとシュンペーさんがトップを交代しながら、ヒロキはフキコを牽引してトレインを組んでスピードを上げるが、追いつきそうで追いつかない。細かいアップダウンと向かい風が体力を削っていく。結局追いつかないままCP3に到着。前は5-10チームくらいいそうだ。
ここで勝負に出る。前のチームはみんな次のCPに繋がる山道へと進んでいったが、我々は大きな道を進んでから山を切る最短距離を選択。地図に道は載っていなかったが、ヒロキが地図配布後スタートまでの時間にGoogleマップの衛星写真で調べ、地図に書き込んだ道へ進んだ。椰子の木畑の管理道のような道で無数に道がはしっている。
本当にここを通って良いのか、ゾウやタイガーが出てきたらどうしようとソワソワしながらも、地形を見ながら慎重に道を選びなら進む。想定通りの場所について道がなくなったところで自転車をデポして藪へ突っ込む。少し行くと大きな溝。おそらくゾウ避けの為に作られたものっぽい。これもGoogleマップで確認済み。どうにか越えて進む。2つ溝を越えて、濃い藪をかき分けていった。暗いし、藪が濃いし、思ったより距離があるし、自転車をデポした場所に戻れなかったらどうしようと不安になる。ダズさんが後ろから木を折るなど目印をつけてくれていた。
どうにか林道に出て、ちゃんと戻れるように歩測をしながらCP4まで走った。シュンペーさんがパンチする時にスタッフから「First 」と告げられテンションが上がる!
無事にバイクをデポした場所に戻り、CP5に向かう。みんなが山道を進む中、ロードを進んだのでかなりのショートカットになりリードを広げた。
長いロードを終えCP6に着くと、コースディレクターが来て「Nice move!」と褒めてくれてテンションが上がる。
フキコのバイクからシーラントが漏れている騒ぎがあったが、持っていたオイルが漏れただけだとゴール後にわかる。ブレーキディスクに付いたりしなくて良かった…。泥対策として、チェーンに塗るように1人一本オイルを持っていたのだ。受付の時にマレーシアチームは前回大会でクッキングオイルを1リットル持ってかけながら行ったと言っていたので慌てて買ったやつだった。
スタートから4時間半ほどしか経っていないが水の消耗が激しい。この後川で水を汲めそうだがここで水をもらえて助かった。ここまでですでにフキコとシュンペーさんの脚が攣り始めていた。ミネラル補給とマグバームを塗って軽いマッサージとストレッチでどうにか対処。
CP6を出てすぐ林道になり、CP7までは標高差800mくらい登る。泥対策として細いマッドタイヤに替えたのが功を奏しドロドロの道でも止まることなく、行けたのは良かった。
だんだんと土砂崩れの跡や倒木、乗れないほどの急登が増えてバイクを担がないと進めなくなる。ダズさんの呼吸がキツそうだ。
聞いた事のない色々な鳴き声を聞きながら、黙々と進んでいるうちに夜が明けていった。林道には何物かの大きな糞らしきものと足跡が目につくようになる。ゾウなのか。そんな時、森からガサガサと動物が動いている音がしてドキドキする。ゾウが出てきたらどうやって対応したら良いのかと怖くなった。しかし音の正体は木から木へ跳び移る猿たちだった。
レースで1番の山場はココだ!と踏ん張って登ったところで待ち構えていたCP7。オフロードバイクで反対側から登ってきたスタッフのおじさんたちがいた。ここまで2時間半ほどかけて登ったようだ。少し会話を楽しんで、次の道を見ていると、後ろからついにチームが来た。爽やかに顔を見せたのはオーストラリアの若手チームThought Sports の女性だった。
いつかは抜かれると思っていたし、抜かれても焦る必要はない!と言う認識だったけど、何となくソワつく。気持ち良く下っていくと分岐が出てくる。後ろのチームに見つからないように隠れて事前にGoogleマップでチェックした地図にない他の道をチェックしながら、地図通りの道を選んで進む。しかし、スタッフが来たはずのオフロードバイクの跡は違う道に伸びている…気にはなるけど、地図を信じて進む。地形を見ながら確認しながら行くが、荒れた道になりどんどん不安になっていく。行くべきか分岐に戻るべきか迷う。下の方では川の音が聞こえ、もし渡渉が必要になるとバイクと一緒だとリスクがある。苦渋の決断の末、分岐まで戻る事にした。1時間弱くらいのミスになってしまった。
何チームに抜かれてしまっただろうか…ちょうど後ろからマレーシアの強豪チームが来た。
気を取り直して、ドロドロの道、石がゴロゴロの荒れた道を下っていく。ダズさんが転倒、膝を強打したようで出血。しばらくすると今度はシュンペーさんが転倒。1番後ろでなかなか来ないなーと思ったら人知れず転けて、色々曲がった〜とよろよろとおりてきた。テクニカルな道が続き、下りとはいえだんだん疲れてくる。もう少しでCP8!と言うところでヒロキが大転倒。バイクが空を飛んでいた。それぞれダメージを負ったが、レースを中断しなければいけないほどの怪我をしていなくて良かった。
車道にでて長いバイクセクションにも終わりが見えてきたが、みんなの水がなくなる。日も高くなりどんどん暑さが厳しくなってくる…。ダズさんのペースが上がらない。みんなの少しだけでも残っている水を分け与え、ヒロキがダズさんを牽引して進む。川で水を汲もうとするが、少し遠くてやめる。あと4kmだからどうにか行こうとフキコとシュンペーさんで前を引っ張りながらTAへ急ぐ。
その時、フキコが道路脇に水道発見。水をかぶり、がぶ飲みして少し復活。こんな時浄水器のBe Freeは頼れる存在だ。(途中で沢水も汲んだし、なかったらと思うと怖い)
TAには娘と赤嶺家、ニセコエクスぺディションのディレクター上野さんが待っていてくれて、ヘロヘロだったが応援で元気が出た。美味しい食事とジュースを補給し、靴を履き替えて準備をする。TAではちょっと先に着いたマレーシアのSkomad KAMIKAZE とすぐ後ろに着いたKAMIKAZE Silva/Carosがすぐ準備をして我々の少し前に出ていき、オーストラリアのTigar Adventureはエイドでゆっくり休んでいる様子だった。オーストラリアのThought SportsとAlpaine Avengers (ARJに出ていたメンバー)の2チームはもっと先に出ていて、現在5位と言うところでTAを出て7kmのトレッキングへ。
TAを出てすぐ近くの急登をひたすら登る。足元はツルツルで何かに捕まらないと登れない。ダズさんのペースが上がらず心配。もっと休めば良かったか。後ろからTigar Adventureが来て抜かれた。
CP11の山の麓に着くが取り付きが見つからない。登りかけるが高い岩壁に阻まれ進めなくなり、反対からアプローチしようかと一回車道に出て回り込んでいると、マレーシアKAMIKAZEの2チームが降りてきた。家の中の人に聞くといいよ、とアドバイスをくれた。続いてもっと先を行っていたと思っていたオーストラリアのAlpine Avengers も降りてきた。ここでずいぶん苦労した様子だった。
案の定、登り口の近くに行っても見つからず、家の中にいる人に声をかけたところでダズさんがマーキングを発見。マーキングを頼りに登っていきCP11をゲット。Tigar Adventure はまだ登ってくる様子はなかった。
CP12はミステリーチャレンジ。何をするかと思えば、椰子の実を斧で剥くと言うチャレンジ。なかなかの力仕事。ヒロキとシュンペーさんがやってくれた。せっかく剥いたからココナッツジュースを飲みたい!と言って飲ませてもらった。
TAに戻り、また応援と食事で元気をもらいバイクで11km移動してカヤックセクションに向かう。
5位をキープして後ろも前も気配がなくなったところでここから40kmのカヤックだ。入り組んだ湖でナビも難しい。時刻は16時前、暗くなるまでの4時間弱でなるべく進みたい。タンデムのシットオンカヤックにシュンペーさん&ダズさん、ヒロキ&フキコのペアで乗り込む。が、直進性がなくフキコが後ろで舵をうまく取れない。ヒロキはできれば前に座って地図と地形を見たいとの事で、シュンペーさん&フキコ、ヒロキ&ダズさんのペアに乗り換えた。
順調に進んでCP15、16をゲット。その後入江を間違えて行き止まりに行ってしまうが、そこまでロスはない。まだまだ先は長いので無心で漕ぎ進んだ。細い水路や島の間を見極めながら漕ぎ進める。CP18から19のロングレッグで19を取ってきたKAMIKAZE2チームとAlpine Avengers が見えた。2-4位争いが熾烈だ。Alpine Avengers のパドリングが4人ピッタリと揃っていて、牽引してないのに牽引しているかのようにとても美しく、すごい追い上げを見せていた。我々との差は40分くらいか。バイクでのミスが悔やまれる。
19からピストンしてきた際、Tiger Adventure らしきチームが遠くに見えたが30分以上の差はありそうだ。
CP20に向かうあたりから暗くなり始めた。しゅんぺーさんが気持ち悪くなり始め、食べ物を受けつけなくなってきているとの事で心配だ。CP20に着いた時に土砂降りになり、寒さを感じてみんなカッパを着込む。
CP20から21はポーテージできればかなりショートカットになるが、思ったよりも高低差がありそうな事と、カヤックの重さを考えると漕いだ方が良さそうなので漕ぎ進んだ。CP20で暗闇&土砂降りになり、視界がほとんどきかないがヒロキは逆に集中力が高まったようでミスなく進んでいく。
一度スタートゴール会場を横目に通り過ぎて残り2つのCPを取りに行く。この辺りは灯りも多く安心感がある、だんだんと終わりが見えてきた。
6時間ちょっとの長いカヤックを終えてTAに到着。しゅんぺーさんは気持ち悪くて吐きそうになっているが、吐くものもなく、苦しんでいる。少し長めに休みたいが、残りはトレッキング19kmで終わりなので、ゆっくり進みながら回復を待つ事にした。
トレッキングのスタートはジップラインだ。カヤックを漕ぎながら見えた感じだと、途中で着水してしまってるようだった。ヒロキとフキコが先に出発。フキコは着水はしないが、体重が軽いせいか半分ほどで止まってしまった。そこからはモンキーで岸まで行くが、腹筋と腕力とが足りず全然進めなくなってしまう。先はまだ長いが、手を離すわけにもいかず、ギャーギャー叫んでいたら、ちょうどカヤックで通ったTiger Wildflow (ニセコに来ていたメンバー)が大丈夫?と声をかけて助けてくれた。カヤックで押してくれたり、岸からヒロキが投げたロープを届けてくれて、どうにか岸まで辿り着いた。楽しいだけのジップラインだと思っていたら、しっかりアドベンチャーでこれが1番きつかったかも。
軽いジョグで山に向かう。しゅんぺーさんはまだキツそうでペースは上がらない。ヒロキがザックを持ってあげたいけど、そこまで余裕がない…と言いながらもダブルザックをして先を目指す。フキコは眠気が来て、歌ったり叫んだりしながら進んだ。
ズルズルの急登を登っていると、前からSkomad KAMIKAZEが元気に下ってきた。前回チャンピオンの気迫を感じた。少ししてAlpine Avengersも引き返してきた。CP25を取った後はそのまま折り返さず道を進む予定だったので、折り返しているのは何故だと思って話しかけると、探したが道が見つからないし、進んだとしても斜面が急そうだから戻ってきたとの事。また少ししてKAMIKAZE Silva/carosにもすれ違う。
つまり、道を発見すればそちらの方が距離は短いので前のチームを抜かせる可能性もあるぞ!とテンションが上がる。すっかり眠気が覚めて道を探す気満々のフキコは先頭を切って進んだ。CP25のあと、しっかり地図を読んで道を見つけたヒロキ。やったぞー!とチームで盛り上がり、マーキングを辿る。しかしそこはかなり急な斜面に無理矢理作った道で、何かに捕まらないと登れないが、掴めるものも少ない。足のグリップを効かせながら、身軽なフキコはガシガシ登る。ヒロキは途中で滑り落ちて、トゲのある植物をつかみ、さらにお尻からトゲの上に落ちた。ピンセットでトゲを抜くが全部は抜ききれなかった。ダズさんはグリップが効かず苦戦していて、しゅんぺーさんは気持ち悪さは回復してきたものの眠気が襲ってきたようだった。
どうにか登り切り、後は下りだとみんな復活してマーキングを探しながら先を急いだ。ジャングルのクネクネ道をマーキング頼りに進んでいるから、地図上での現在地把握が難しくなってきた頃、急にマーキングがなくなる…。マーキングはなんだったのか?急に疑心暗鬼になる。戻るしかない?と絶望感を感じていた時に、人の足跡と木にナタで印が付いているのを見つける。もしやテープがなくなって、ナタでマーキングしたのか?疑いながらも先に続いてるナタの跡を追った。
時間がずいぶん経ったように感じるが、まだジャングルから出られる雰囲気がない。現在地は完全にわからなくなり、頼りになるのはナタの跡だけ。むしろこのマーキングしている人がロストしてるのでは…。ヒロキは苛立ち始め、一回みんなで状況を整理しようと会議する事に。どこにいるかわからず文句を垂れるヒロキだったが、ダズさんが冷静に「たぶんこの辺だから大丈夫、行ってみよう」と言った事に納得して進む事に。
しばらくしてマーキングが復活、ロープが出てきたりと道らしくなり、車道に出た。しかしそこがどこだかわからない。
逆転するぞ!と意気込んでいた数時間前とは裏腹に、もしかしたらとんでもないところにおりてしまったかもしれない…大きく順位を落としたに違いない、と言うかどうにか無事に帰らないと。と意気消沈。
人の声がする。朝4時だけど、もう起きているのか?!声の方に行くと、家の奥で若者がたむろしている。助かった!「ハロー!ここはどこ?」と聞くが、いまいちよくわからない。地図を見せてもわからない。CPがある場所のキャンプ場やゴールのリゾートの名前を言うと、めっちゃ遠いぞ!そこまで行くのか?と言われて、やっぱり山の反対側に降りてマップアウトしたんじゃないかと絶望するが、どうにかコミュニケーションを取り続けて、変な場所にいないことが発覚。我々の気迫に押されていたが、本当に助かった。ありがとう、若者たち。
しかし、モチベーションが下がった一同、ラスト5-6キロの車道を頑張って走る元気が出ない。タラタラ歩いてゴールするか。。と言う雰囲気が出たが、最後だから早く終わらせようとどうにか走る。CP26を取り、最後のCP(橋から懸垂下降、100mくらいスイムしてゴール)まであとは4キロ。少しすると抜かれたと思っていた女子2人チームとTiger Adventureに会う。あれ?思ったより抜かれてないのか?どのチームにも色々あるよね。とにかく最後まで抜かれないようにもう一度頑張ろう!と火がつき、力を振り絞る。
最後のCPの橋まで来ると、もうゴールは見える。後は懸垂下降を楽しんで、泳いで泥をきれいに落としてゴールするだけだ。上野さんも来てライブ配信してくれて顔が綻ぶ。
橋から4人同時に懸垂下降で降りていき、最後は思ったより高いところでロープがなくなり、ドキドキする。みんなでせーのでドボン。やり切ったけど、悔しい気持ちを抱えながらゴールまで泳いでいった。ゴールでは上野さんや主催者たちが出迎えてくれた。順位を確認したところジャングルで1チーム抜かれて6位とのこと。
表彰式に行くと、なんと5位までトロフィーが並んでいる。3位まで賞金があるのは知っていたけど、表彰が5位までだったとは!最後攻めずに5位をキープしてゴールを目指す事もできただけに、、、より悔しさが。でも、攻めてやり切ったと言う想いはあるから…。とまだまだモヤモヤが続きそう。
パワー勝負だけではどうしても勝機がない中、他のチームが行かない道をチョイスしてトップに立ったり、迷ったり。ギアの工夫をしたり。私たちらしいレースができたのは良かったかな。
マレーシアのチームは若くそして強くてチームワークも良い!レベルが高く、とても刺激になった。オーストラリアの強豪チームとレースできたのも楽しかった!
今までの経験が生きて、またたくさんの経験を積めたレース。もっと冒険をして冒険を続けて生きたい。
我々の壮大な遊びを応援していただき本当にありがとうございました!
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